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2007年09月29日

睡眠時間

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
 23時に就寝している10歳以上の割合
  1960年 90%
  1970年 75%
  1980年 70%
  1990年 60%
  2000年 50%
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛

 この40年間に夜型が急速に進んでいます。しかし、その一方で、起床時間はそれ程遅くなっていません。即ち、この40年間で睡眠時間の短縮が進んでいます。


 一般に睡眠不足になると、
  イライラが生じ易くなります。
  記憶力が低下してきます。
  集中力も低下していきます。
  風邪を引き易くなります。
  作業効率や成績が低下してきます。
  肥満を促進させます。うつ状態になるとされています。
  睡眠時間が減少すると幻覚や妄想等が出現することも…



 睡眠を侮ること無かれ。皆さん、ちゃんと睡眠をとっていますか。睡眠不足は睡眠によってしか補うことが出来ません。



【役に立つ本】

EBM精神疾患の治療〈2006‐2007〉
EBMキーワード
アトピー性皮膚炎―よりよい治療のためのEBMデータ集
患者は何でも知っている―EBM時代の医師と患者
統合失調症の語りと傾聴―EBMからNBMへ
タグ:睡眠
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2007年06月06日

マジック・フレーズ

 diag.は人格障害。少なくとも3ヶ所の医療機関でそのように診断されている人がいる。本人・家族には、人格障害と告知したようだが、人格障害によるうつ状態と言うことで説明しているようだった。だから、受け止め方はうつ。しかし、今の主治医も私も、発達障害と診ている。本人もうっすらと気付き始めている。本人が告知を望んでいる訳ではないので、混乱を避けるためにも、うつと言う事で関わっている。主治医と私は、明らかに気持ちの整理が進んでいる、と評価している。

 そんな状況下、1年以上治療を受けているのに状態が良くなっていない、と家族が主治医に噛み付いた。実は、良くなった、と喜んでいた時もあったが、現在は、家庭では今一つのようだ。家族は本人に1年以上治療を受けているのに仕事にいけない、ひきこもってばかり、と責める。挙句に、家族のありがたくないお言葉で、大パニック。最近、特に増えて来たようだ。本人の話からは、家族が治療を受けさえすれば治ると信じているフシがある。

 本人は障害を背負ってどんな風に生活をしていこうかと考えている。それとは裏腹に、治るものだ、と考えて焦る家族。症状がとれないことが気になって、痺れを切らしている感じ。逆効果。

 一度家族を呼び、こちらの意見を聞いてもらいスムーズに治療を進め易くする為のマジック・フレーズを用いる必要なのかもしれません。


【値段は高いが超お薦め本】
成人期のADHD―病理と治療


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2007年03月30日

成人期のADHD―病理と治療

 ADHD(注意欠陥多動性障害)は、児童期に限られた障害である(おとなになれば自然に治る)と考えられていたが、成人以後も症状が続くと言うことで判って来ました。欧米では、ADHD児の70〜80%以上が成人以降も症状が続くと言う調査報告があります。そして、adult ADHD(成人期のADHD)として、昨今注目が集っています。

 『成人期のADHD―病理と治療』、この類の本でここまで記述してある本はないのでは???。

 ADHDの理解を深めるために、注意困難・運動異常(多動・協調障害)・衝動性・無秩序・躾難さ・対人関係の変容・感情性の変容・ストレス耐性の低さ等について子どものADHDの症状に触れてから成人期のADHDの症状について触れています。成人期のADHDの診断を確定していく作業を行う中で子どもの頃の話を聴いていくのは必要不可欠です。ですから、ADHDがどの様に姿を変えていくのかと言う事が学べます。これは、成人期のADHDの治療経験が豊富な臨床家であれば、臨床の中で殆ど気づいているような事であろうと思います。ですから、ADHDに対する臨床家の感度を上げるために役に立つと思います。

 また、資料としてウェンダー・ユタ評価尺度等が載っています。医者などは診断の根拠となる数値を欲しがるので、これはこれで役に立つような気がします。

 ただ、確かにこれを参考にすると成人期のADHDに対しての感度が上がるのですが、知り合い、職場の同僚に対してここで知り得た知識を当てはめていくのは止めましょう。臨床領域の人に当てはまる人は比較的多いかもしれません。仮に我慢出来ずに当てはめたとしても、そのことを口にしない方が良いと思います。口にしてしまう人が多いんだよな。

 臨床経験が乏しい方がこの本を読むと臨床場面でADHDに関しての感度が高くなるでしょう。経験豊富な方は今一度ADHDに関しての整理が出来ます。超お薦めです。



【値段は高いが超お薦め本】
成人期のADHD―病理と治療


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posted by outlandos at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月12日

認知症 グレイゾーン

グレイゾーン

 正常と痴呆との間の境界線、ってどんな風に引かれているんだろうと思ったことはありませんか。これって、結構、臨床家や研究者間で色々な考え方があるのです。


 そもそも、痴呆とは、一度獲得された知的機能が後天的な障害を受け、自立した生活機能を失ってしまうことを指します。


 全般的な知的機能は、ピークを迎えた後、加齢によって時間軸にほぼ平行に推移していろように見えなすが、少しずつ衰えていると考えられています。そして、高齢になると衰えの速度が今までより進むとされています。一方、明らかに右下がりの状態になって行くと、社会生活に支障をきたしていきます。そして、色々な症状が出て、初めて痴呆であると判断となります。従って、正常加齢と痴呆の間に大きなグレイゾーンが生じてしまいます。このグレイゾーンは、専門家によって基準が異なり、正常加齢〜痴呆の始まり(軽度の痴呆)と色々です。

 痴呆と判断する際、教育歴や職歴等の環境の影響も考慮していかなければなりません。現在と以前の認知機能の差を比較・観察していきますが、結構難しく主観や経験で診断が左右します。例えば、もともと、計算が苦手、漢字が書けない、趣味がない、と言う人の場合、現在と以前の認知機能の差が小さいので、判断にバラツキが生じ易くなります。

 正常と痴呆の間はこんな感じですが、イギリスでは、正常加齢から痴呆に移行する病的過程を、正常→無症候段階→自覚的認知障害段階→他覚的認知障害段階→痴呆と分類しています。

 症状があるのだから痴呆の診断なんて、簡単ぢゃん、と言われそうですが、痴呆の診断って案外複雑なのであります

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【役に立つ本】
高次脳機能診断法
高次脳機能検査法―失行・失認・失語の本態と診断
高次脳機能検査の解釈過程―知能,感覚-運動,空間,言語,学力,遂行,記憶,注意
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2007年03月05日

お任せします とは言わせない

 治療は先生方にお任せします。家族はそんな風に言い放った。そして、私は、お任せしますでは困ります。一緒に如何するのか考えていきましょう、と言うカウンター・フレーズをお返しした。

 患者さんより家族の方に問題があるとされる場合、こういった形で治療の場に引き摺りこむ。

 臨床場面では、患者さんに対して必要以上に刺激する否定的で感情的な言動をとって患者さんの症状を活性化させてしまう家族によく出会う。言い方は悪いが、家族に診断名を付け投薬した方が良い、と言う感じ。こうした家族は、治療は先生方にお任せします、と言いながらも、治療的な取り決めを無視して今まで通りの好き勝手な関わりを続けることが多い。従って、何も変わらない。最終的には、患者さんだけでなく治療者に対しても否定的で感情的な言動を取り易い。そして、治療に対する動機付けが低下して言ってしまう。

 こんなことから、家族にも積極的に治療に参加して頂き、その言動に責任を持って頂く様に方向付けるのである。患者さんに対して必要以上に刺激する否定的で感情的な言動が、如何言った影響を誘発するのか、家族に身をもって体験して頂くだけで十分。少し専門技術を用いるのだが、気付くだけで飛躍的に治療が進む。

 勿論、それでも上手くいかない場合もあるけれど、上手くいく場合が多い。だから、よく使う方法である。


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【役に立つ本】

EBM精神疾患の治療〈2006‐2007〉
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アトピー性皮膚炎―よりよい治療のためのEBMデータ集
患者は何でも知っている―EBM時代の医師と患者
統合失調症の語りと傾聴―EBMからNBMへ
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2007年02月24日

FCAT(financial competency assessment tool)の基礎データ

 FCAT(financial competency assessment tool)と言う金銭管理能力評価検査の基礎データをアップしました。ご利用下さい。


 FCAT基準.pdf

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高次脳機能検査法―失行・失認・失語の本態と診断
高次脳機能検査の解釈過程―知能,感覚-運動,空間,言語,学力,遂行,記憶,注意
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2007年02月16日

FCAT(financial competency assessment tool)の用紙

 FCAT(financial competency assessment tool)と言う金銭管理能力評価検査の用紙をアップしました。ご利用下さい。


 FCAT(financial competency assessment tool)

            ↑ダウンロードしてお使い下さい



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高次脳機能検査法―失行・失認・失語の本態と診断
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2007年02月15日

久里浜式アルコール・スクリーニング・テスト

 アルコール症の方は、飲酒の仕方に問題を感じていない人が多い。ましてや、自分がアル中だなんて思っていなかったりする。そのため、診察場面では過小申告をする人が多い為、どの程度の飲酒の仕方に問題があるのかを把握するために、診察とは別の時間を設け、国立病院作った久里浜式アルコール・スクリーニング・テスト(KAST)を用いることがあります。

 さて、アルコール症と大酒飲みは、沢山アルコールを飲む点では一緒です。しかし、大酒飲みはいつでもアルコールを止められるのに対して、アルコール症の人は、一旦飲み始めるとブレーキが掛からなくなってしまうのです。アルコール無しではやっていけなくなってしまうのです。そして、そうこうしている間に、アルコールが原因で社会的な信用を失っていってしまいます。そんな状況が痛いほど分かっているのに止められないのがアルコール症なのです。


久里浜式アルコールスクリーニングテスト←ダウンロード出来ます。


 結果の方は、如何でしたか。2点以上あれば、精神科医に立派なアルコール症と診断される可能性が高いと思います。また、0点以上の方は、現在の飲酒習慣を見直す必要があると考えた方がいいかもしれません。



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【アルコール関連の本】
援助者のためのアルコール・薬物依存症Q&A
アルコール中毒とは―再検討 アルコール中毒症の原因、それが引き起こす多くの問題、そして治療
アルコール性臓器障害と依存症の治療マニュアル―急増する飲酒問題への正しい対処法
アルコール症治療の手びき―診療・援助にたずさわる人のために
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2007年02月10日

精神科医には時間が無く、患者さんには余裕が無い

 精神科医は、限られた診察時間の中で、多くの患者さんを診ています。そして、カルテ記載やお薬の調整などもしています。勤務先でも複数の精神科医が9時から患者さんを診ています。なるべく長く話を聞こうと頑張っていらっしゃいますが、時間にも限りがあります。午前の診察が終わるのは、15〜16時。患者さんの数はざっと3桁。

 危機介入が必要な時は別にして普通、患者さんに与えられた時間は、10分もない。その限られた時間の中で、話をするのは難しい。それに精神科医の前では何故か緊張なんて人も少なくありません。何を話していいのか判らないままに診察は終了となり、診察室を出た後に、あれを言い忘れた、とか言う患者さんが多くいらっしゃいます。また、何がしんどいのか、しんどさを如何表現して良いのか分からない患者さんも少なくありません。

 こんな状況に気付いた精神科医から、患者さんが診察で話したい事を整理出来るような関わりを別の日に時間をしっかりとってして欲しいと言う事で依頼が届くようになりました。カウンセリングとは、毛色の違うものなので、こうした依頼を嫌がる同僚もおり、そうした依頼は全て私の所に届くようになりました。

 いざやってみると、患者さんは、しんどさを表現する力がアップしてくるんです。何が必要なのか、どう表現すれば良いのか、患者さんはコツを掴むんですね。表現出来るようになったことで、症状の理解が進み、治療が進むんです。治療効果が進むと、しんどさをコントロール出来たと言う実感が持てるようになるようです。

 或る患者さんは、精神症状が強く、時間外に救急でやってきました。精神科医が診察すると、不調にも関わらず、症状や状態についてしっかり説明したのです。それには、診察した精神科医もびっくり。カルテにこうした関わりの有用性を記載して頂きました。

 しんどさを表現する力がついていたお陰で、患者さんは、焦点を絞った治療を受けられるようになりました。ここまで語れるか、と本当にびっくりする事が多いです。医療に於いてこう言った関わりも必要だ、とつくづく思うのでありました。


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【役に立つ本】

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2007年01月24日

医療事故の防止 過失犯の作られ方

 罪だと言う認識があって罪を犯してしまうと、刑法では当然のことながら処罰の対象と言うことになってしまいます。知っててやる訳ですから罪を問われても当然と言うことになります。しかし、刑法では、そんな犯罪ばかりを処罰の対象にしている訳ではありません。認識が無く、不注意で他者やその所有物を傷つけてしまったりすることもあります。過失犯と言う奴です。この過失犯は、結果予見義務を怠る場合と結果回避義務を怠る場合とに分けられます。結果予見義務を怠ると言うのは、当然予想される事態を予測することを怠ることです。結果回避義務を怠ると言うのは、結果予測に基づいて事態の回避を怠ることです。


 医療事故では、圧倒的に過失犯が多いのです。


 医療現場では事故が起きると再発防止のためにカンファレンス等が開かれ、当事者は、〜しておけば良かった(次から注意しよう)等、反省したりします。そして、次から反映されていきます。しかし、医療事故では警察が介入し取調べ室に連れて行かれると、もっと注意をしておけば良かった、分からなかった(もう少し勉強をしておけば良かった)等の反省の類は、命取りになってしまいます。過失犯だ、と自白しているようなものです。しかし、医療従事者はそんな事を知らない人が多い感じです。医療現場と警察の取調室とでは、反省の意味合いが違ってくるのです。

 そんな訳で医療従事者は過失犯になってしまい易いのです。近年、医療事故で訴えられる医療従事者が増えています。医療従事者の皆さん、くれぐれも結果予見義務と結果回避義務を怠らないように。


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【医療過誤の本】
刑事医療過誤
刑事医療過誤〈2〉
医療事故紛争の上手な対処法―被害者救済の実践策と法的論点
医療過誤と訴訟―その実態と対策Q&A
医療過誤―Q&A事例相談集
医療過誤判例百選
別冊ジュリスト No.140 医療過誤判例百選 第2版
判決文から読み解く医療過誤―看護師・医師の刑事責任 付:モンスター理論
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